お子さんが中学3年生になると、
・「志望校の合格可能性は現時点でどれぐらいなのか」
・「あとどれぐらい成績を上げたら、合格に近づくのか」
・「私立はどこを受けようか」
・「子どもにとってベストな高校はどこなのだろうか」
といったことを、毎日のように考えることになります。
お子さんの将来に多大なる影響を及ぼす高校受験だからこそ、やはり慎重になりますね。
学校では、夏休み前から2学期にかけて、受験校について話し合う機会が複数回設けられます。
私自身、普段から中学3年生の生徒と保護者に関わっているので、
「担任の先生からは○○高校に合格するのは厳しいと言われた」
「志望校のレベルを上げても大丈夫だと言われた」
「そもそも、担任の先生が1年目なのでどこまで信用すれば良いか分からない」
といったことを毎年聞くことになります。
実際「私のクラスの担任の先生は比較的優しいけど、別の組の担任の先生はかなり厳しい」ということはよくある話です。
とはいえ、一口に「優しい」「厳しい」と言っても、私立の場合と公立の場合とでは事情が異なります。
そこで今回は「私立高校」と「公立高校」に分けて、中学校がどのように進路指導を行っているのかをお伝えします。
高校受験の進路指導の実施方法【中学校編】
私立高校を決める場合の進路指導

もしかするとあなたもご存知かもしれませんが、各中学校の先生が私立の高校を回り、どの生徒がどれぐらいの合格可能性を秘めているのかを聞きに行きます。
ですので、中学校の先生としても私立の場合は合格可能性がどれぐらいあるのかを把握しやすいわけです。
学校で進路の話を行う時に私立の話になると、
「大丈夫だと思う」と言われるか、「厳しいよ」と言われるか、どちらかに当てはまるケースが多いです。
もちろん、「大丈夫」と言われたからといって合格可能性が100%になるわけではありませんので、油断しないようにしてください。
では「厳しい」と言われた場合、合格可能性はどれぐらいなのでしょうか?
この場合「限りなく0%に近い」と思った方が良いです。
これは、実際にあった話なのですが、ある生徒が、とある私立高校を併願校として考えていました。
その学校には3つのコースがあり、上から2つ目のレベルのコースを考えていました。
ところが、12月の中旬に親子で先生に呼び出されて
「○○(生徒の名前)が受けようとしている学校のことだけど、もし併願なら一番下のコースも厳しいから、併願校を変えた方が良い」と言われたのです。
なぜ学校の先生がここまで言い切れるのかと言いますと、高校の先生から話を聞いているからです。
先ほどの「併願校を変えた方が良い」と言うのは「変えなさい」という意味です。
(結局、その生徒は変更して、無事に合格しました)
程度の差こそあれ、学校の先生がある程度の情報を持っていることを考えると、よほどのことがない限りは学校の先生の言うことを聞いておいた方が良いと言えます。
公立高校を決める場合の進路指導

では、公立の場合はどうなのでしょうか?
公立の場合は私立と比べて学校の先生も判断に迷うことが多く、塾に通っている生徒に対しては「塾の先生に相談してみてはどうですか」と言う先生もいます。
(実際、このように言われた生徒を何人か知っています。)
また、担任の先生によって
「出来る限り生徒が希望している高校を受けさせてあげたい」といったように、背中を押すタイプの先生もいれば
「ほぼ確実に合格する高校を受けてもらいたい」と言ったように、安全策を重視する先生もいます。
要するに、先生によって価値観が異なるわけです。
そのため「どうして私の方が学校の成績が良いのに、あの子(別のクラスの子)が担任から勧められた高校の方がレベルが高いの?」と感じる生徒(保護者)が、毎年います。
では、もし学校の先生が勧めてきた志望校を子どもが嫌がってしまい、もう1ランク上のレベルにチャレンジしたいという場合は、どうすれば良いのでしょうか?
【公立のみを受験する場合】
もし、あなたのお子さんが公立のみを受験するとします。
仮に運悪く不合格になってしまった場合は、定員に達しなかった学校を受験することになります。
このことを「二次募集」と言います。
もし、本来は行きたくなかった学校(生徒の学力からあまりにもかけ離れたレベルの学校)で3年間過ごすことになるかも知れない可能性がある中で、それでもチャレンジしたいというのであれば、志望校にチャレンジしても良いと思います。
(私の知り合いにも、公立1本で勝負したあと、二次募集を行っている学校を受験した人がいます)
逆に「そこまで腹はくくれない」と言うことであれば、志望校のレベルを下げるようにしましょう。
※「二次募集」に関しては、各都道府県によって制度が異なりますので、詳しいことは学校の先生に質問してみましょう。
【私立高校に合格している場合】
この場合であれば先ほどの場合と異なり、万が一不合格になった場合は私立に進むことになるケースが多いため、もともと検討すらしていなかった学校に行くことを防ぐことはできます。
志望校にチャレンジするのか、ランクを下げるのか
最終的な判断基準としては「公立にこだわるのか」「そういうわけではないのか」にかかってくるでしょう。
親としては公立・私立のどちらでも良いと思っていても、子どもが公立にこだわっている場合もあれば、その逆もあります。
とはいえ、受験するのも高校に進学するのも「子ども」なわけですから、最後は親子でしっかり話し合って、子どもが望む形で受験するのがベストです。
子ども自身が自分で決断したことであれば、たとえ不本意な結果になってしばらくの間引きずっていたとしても、比較的早く切り替えられます。
まとめ
今回は、高校受験の進路指導に関して、中学校がどのように実施しているのかについてお伝えしました。
実際に志望校を決める時は、学力面だけではなく、通学時間や部活の状況、学校の雰囲気なども考慮したうえで決めるようにすると、いざ高校に入学してから後悔する可能性がグッと減ります。
親御さんにとってはハラハラする時期が続きますが「子どもが決めた方向で応援する」というスタンスで、お子さんと関わっていただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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